

震災後10年目に向けて、震災で失ったもの、新たに得たものを改めて考える材料になればと、公開します。ここに上げる写真はどれも震災1年後の2012年4月、小高町への出入りが自由になって撮影したものです。道ばたにはまだ津波が運んできた泥が残っています。1年たってもまだ悪臭がしていたことや、掻き出そうとする人のスコップの音が、耳に残っています。


僕の家が駅前にあったので、やっぱり駅前の写真が多いです。これほど傷ついた街も、いまは清潔で落ち着いた街並みに変わりました。住民のみなさんの努力のたまものです。頭が上がりません。


教会幼稚園は建物自体は目立った傷がありませんでした。庭は雑草が生えてますけど、荒れているというほどでもないし、ほっとしたのを覚えています。幼稚園は急ぎませんけど、教会のほうは早く再開してほしいものです。クリスチャンでもない自分が言うのもなんですが、日曜学校に一度、参加してみたいです。
広文堂書店は、四区の交差点の角にあった時代によく立ち読みしてました。泉が家にいない時は本屋にいるっていうくらい。ほんとに。
別に、悲惨な写真を並べて見せびらかしたいわけではなく、この状況からよくぞ立ち直ってくれたなあと、関係者の皆さんへ感謝する意味で。小高町ゆかりの写真家、島尾伸三さんは「小高町はきれいだ」と褒めてくださいましたよ。僕は何もできなかった。